卒業インタビュー『三文オペラ』に向けて#4

今回は卒業発表会を間近に控えた研修科二年生(61期)のインタビュー第4弾です。

「マサイアス(B)役・男(A)役、久米俊輔」「マサイアス(A)役・男(B)役、桜田祥太朗」「ポリー(B)役、清水芽依」「ピーチャム夫人(B)役、森夏子」にお話を伺いました。

(左から:森夏子久米俊輔桜田祥太朗清水芽依


①自身の役について

―卒業発表会『三文オペラ』の作品や自身の役についての印象を教えて下さい。


久米:役についての第一印象は、自分が芝居をしてて一番楽しめるのはマサイアスだなと読み合わせの時に思いました。ソロの歌がなくて残念だなというのもあるけど、三文オペラの時代について調べて、マサイアスが盗賊として生きて行かなければいけない理由とかを想像していったらより演じるのが楽しくなってきて、根っこから闇の部分が滲み出ているような気がして。とにかく謎の多い役です。この役をしっかり自分に落とし込んで、そうくるかって舞台上でお客さんの心を裏切り続けたいです。それとAチームでは男っていう役もあって。最初は変な役になっちゃったなあと思いましたけど、やってみたら「そういうことか、結構面白くなりそうだな」と、こちらも楽しんで稽古に臨めています。まだ展望がよく見えないからこれ以上語れませんが。


桜田:僕は役がどうこうっていう印象よりは、配役表を見た時に、また一年生男子と関わる役だ、と。舞台上で一年生男子と深く関わるのは3回目で、二年生の中では一番多いんです。(前回の)『ペンテコスト』のときと同じように楽しくやりたいなっていう気持ちが一番強いかなというところです。これからの展望もそこですかね。もっとみんなと楽しくやれたらいいなと思っています。


森:私はピーチャム夫人という役なんですけど、『三文オペラ』やるってなって初めて戯曲を読んだ時は、まだピーチャム夫人をやるとわかってなかったので全体を読むじゃないですか。そうすると結構全体の中では、冷たい人物で割り切っているような人なのかなと。「世の中こんなもん人生こんなもん」っていうセリフがあったりして、達観している人物だと思っていたんですけど、いざ自分がピーチャム夫人をやるっていう目線で読んでみると庶民的なお母ちゃんみたいな感覚があって、そういうところからああいうセリフが出てきてるっていうのが面白くて。だから今後はそういう、普通に現実にもいそうな人物としてやっていきたいなと思っています。

森夏子


清水:私はポリーという役を演じるんですけど。ありがたいことにいろんな人と関わるシーンがあって。そうすると当然、対峙する人によって居方が変わってきたりとか、同じ人に対しても場面ごとにスタンスが変わってくるじゃないですか。西本さんが稽古序盤でおっしゃってたと思うんだけど、人間って意外と一貫性がないみたいな。話してなかったっけ?


森:うんうん。


清水:してたよね。確かに人間ってそんなもんだよなみたいな。自分もそういうところあるなって。相手の人によって使う顔を使い分けたりするじゃん。そういうのはやっぱりお客さんも共感できると思うから、今後の展望としてはそういうところを豊かにしていけたらお客さんも楽しめる作品になるんじゃないかなと思っています。でも今はまだそういう部分を台本から読み取るのが難しくて焦ってます。でも、本番まで頑張り続けます。よろしくお願いします。


浴(62期):森さんと親子役ですね。


清水:そう!ちょっと話していい?(笑)私本科の時からずっとなっちゃん(森)のお母さんやりたいと思ってて。研修科入って、去年一回お母さんやって、今年も一回お母さんやって、わーーって思ってたら今回は私が娘で。まじで嬉しい。こんなことってないよね。


森:ほんとに運命を感じます。


清水:ここも超見所にしたいと思います!!


一同:(笑い)


② 文学座との出会い

―文学座を選んだ理由について教えて下さい。


清水:私は演劇の経験が全くなくて、ここに入る前までは接客業をやってたんですよ。接客業ってさ、笑顔が大事とかそれは本当にそうなんだけど、でも常に笑顔でいるっていうのはまじで難しくて。1番難しいかもしれない。体調が良くない時があったりとかなんか気分が上がらない日ってあるじゃん?当時は私もまだ若くて未熟だったから感情の起伏が激しかったていうのもあったと思うんだけど。でも、お客様からしたらそんな私のコンディションなんて関係ないじゃん。それに毎日同じお給料で働いてる訳だからさ。だから社会人として自分の機嫌を上手く取って、毎日一定のパフォーマンスを発揮することが理想だなって若い私は思ってた訳ですよ。で、この安定しない自分を安定させるにはどうしたらいいんだろうって考えてて。まぁ真面目だったからさ(笑)、結構毎日反省してて。そういう時に「役者さんって自分の感情と関係なしに感情をコントロールして喜怒哀楽を表現できるんじゃないか」ってド素人の私は思って。それで、演技を学んだら感情をコントロールできるのかなってお芝居に興味を持ったのが初めかな。だからここに入ったのは、別に舞台に立ちたいみたいなことじゃなくて演技をちょっと学んでみたいなって思って。演技を学ぶ場として文学座を選んだ理由っていうのは、検索で1番上に上がってきたから(笑)。あとね、ド素人でも名前聞いた事あるから怪しい所じゃなさそうだし、みたいな。そういう感じで応募しました(笑)。

(清水芽依)


一同:(笑い)


森:私は、大学生の時に俳優になりたいって思ったんだけれども、本当に何も知らなくてどうやってなるのかも分からなくて。それまでは高校の演劇部とか大学のサークルとかでやってはいたんですけど、学校じゃなくて外の舞台に立ってとにかく世界を知ってみようと思って一旦フリーで活動をしていました。そのときに舞台で出会った人達に「どうやってなるんですか?」「どういう所があるんですか?」って聞いて回ったんです。私が「テレビとかより舞台がやりたいんです」って言ったら、「だったら劇団がいいんじゃない?」とか「文学座っていい所だよ」とか話を聞いたから、そっかじゃあ目指そうかなっていう流れですかね。最終的に自分で調べて、色んな授業が週6回みっちりあるとか、年に4回公演に立てるとか、そういうところが魅力的で。で、もちろんフリーで俳優をやっている方もいらっしゃるんですけど、自分に自信がないというか、俳優になるにはちゃんとお芝居を学ばないと、と思って来ました。


桜田:僕は、樹木希林さんと佐藤二朗さんがすごい好きで。で、ネットで検索した時に偶然お2人ともが文学座の研究所出身だったからっていうのが文学座に入った理由ではあるんです。で、なんで僕が舞台がやりたいと思ったかというと、地元が青森県八戸市という田舎なんですけど、僕が小学5年生のときに劇団四季の『ウェストサイド物語』が地方公演で来て、母親に連れてかれたんです。そこで僕は衝撃を受けて。「あぁやってみたいな」っていうのはずっと心に思いつつも、田舎だったんでめったに舞台観る経験なんてないですし、ひたすら部活部活って感じだったからいつの間にか部活の方にのめり込んでしまって。とりあず大学行こうかなって大学受験をしたところ落ちて、やけくそで自衛官になったって感じです。


清水:知らなかった(笑)、そうなんだ、やけくそで入るもんなんだ(笑)。


桜田:そうなんです、とりあえずいいやと思って。すごい現実思考なんで。


一同:(笑い)


桜田:お金稼ごうと思って入ってですね。自衛隊入って、11月くらいに池袋で1人で散歩していてシアターグリーンって劇場の前を通りかかった時に、暇だから観に行こうと思って入って、「あ、やっぱやりたいわ」と思って。自衛隊に戻って、佐藤二朗さんと樹木希林さんどこの劇団だったんだろうと思って調べたら、偶然同じ文学座ってところがでてきてそこで初めて文学座を知って、入所試験受けて…、そんな感じです。

桜田祥太朗


久米:僕は元々全然舞台とか知らなくて。実は物心つく頃から吃音症っていう障害を持ってて、それが役者を志したきっかけです。世間では障害なのかどうかグレーゾーンみたいに言われてますが、僕は完全にこれを障害だと思ってます。今はこうやって普通に喋れてるけど、これは1つ、いや2つくらいかな。層を作ってワントーン声を上げて喋る、そうするとどうにか淀みなく喋れるようになる事に歳を重ねる毎に気付いてきました。でも家とか仲の良い友達の前とかだと全然言葉が出なくなります、不思議なもんで。(笑)で、小学二年生くらいの時に、「これ多分普通の人間にはなれないな、普通に生きてくことはできないな」と思って、そこからずっと今までどこか変わらない自分がいるというか。ていうのはどっか世界を遠くから見ている自分がいて、「どうせ俺はこうだしな」みたいなことを幼い頃から結構思ってました。すみません厨二病みたいで(笑)なんだかんだで18歳になって将来どうしようか考えていたときに、俺ずっとスポーツやってたからこれからも多分スポーツの道に進もうかなって思ったけど、その時に丁度、2019年かな、東海放送が『見えない障害と生きる』っていう5分くらいのCMを作ったの。皆さんもお時間ありましたら是非拝見してほしいです。

https://youtu.be/hFppNU0ONQo?si=KfctWGUkcdTv0VWa

(東海テレビ公式YouTubeチャンネルより、「見えない障害と生きる。」)


それで吃音症みたいな外見だけでは判断できない障害を持った人達はどういうふうに生きているかっていうのを改めて目の当たりにして。それを見た時に、やっぱこれって当事者が発信していかないとダメなのかもしれないなって。やっぱり悩みとかって自分にしかわからないし。それで自分がこの症状と向き合って、何かを発信していけば、同じ悩みを抱えてる子達にプラスな影響を与えられるんじゃないかなと思って、放送プロデューサーかアナウンサーを目指そうと思ったんですよ。で、日本大学芸術学部の放送学科ってところに入って最初はアナウンサーを目指してたんですけど、実習でナレーションとかをやった時にやっぱり表現力ってとても必要だと実感させられて、自分には表現力がないなって思って。知り合いに元アナウンサーで元文学座の研究生の方がいて、その人に「文学座入れば表現力養われるんじゃない」って助言を頂いて、直ぐに文学座に応募して運良く受け入れて貰えて、1年で辞めるつもりだったんだけど何故か学校の方を休学して3年目に到達してます!(笑)今では芝居をする事が凄く楽しいし、3年前の自分とは全く違う姿に成長したなと思います。


③三年間の思い出や印象に残っている事を教えてください。


桜田:そうですね、僕はやっぱり『ペンテコスト』(2023年度研修科第三回発表会)が1番頑張ったと自分では思っていて。僕は研修科に上がってから「ああいった役」と言ってはなんですけど、「ああいった役」を沢山やってきてるんですね。そして今回(卒業公演)も「そういった役」だと思っています。


一同:(笑い)


桜田:自意識過剰かも知れませんが、笑いを取るというか、その場を「ウェイッ」ってする役だと思っています。『ペンテコスト』でニコをやった時に毎日毎日新しい案を持っていくという苦しみ…


62期一同:苦しみ!?(笑)


桜田:自分で自分の首を絞めてるんですけど、まぁ、苦しみ…ですね。そして今回はそれ以上に苦しい!


一同:(笑い)


桜田:まあ、それも全部自分のせいなんですけど。毎回毎回『ペンテコスト』の時に新しい案を持って行って、みんなが笑ってくれたり、場が盛り上がるのを実感できて凄く感動しました。「あぁこの感覚は忘れてはいけない。」と思い、今回も自分の首を絞めてやってます!


久米:3年間の中では『俳優についての逆説』かな。自分の人生の一部を変えてくれたと言っても過言では無いというか。『俳優についての逆説』って、3分間の尺の中で自分の作った台本を演じる時間があるんですけど、そこで先程も話た吃音の事を題材にした台本を僕作って。その時人生で初めて他人に自分の吃音症の事を話したんですよね。本当のコンプレックスって人には言えないじゃ無いですか、僕の場合は親にも面と向かって相談とか中々できなくて。で、初めて人に吃音の悩みをバン!っと作品を通して打ち明けたんです。で、本番の時に中村彰男さんが観に来て下さったんですけど、僕が台詞の中でお客さんにかけるシーンがあって、彰男さんに向かって話しかけたんですよね。その瞬間彰男さんが真っ直ぐな眼で「うん。」って言ってくれたんですよ。そしたらその瞬間涙が出てきちゃって。なんだろう、コップの水がこぼれ落ちたと言うよりかはコップの水を自分で捨てられたと言うか。その日から世界の景色が変わったなと思って。もう大丈夫だって。だから『俳優についての逆説』には本当に救われたなって思ってます。

久米俊輔


森:私、何があるかインタビューの為に考えたんですけど、色々あって。どの公演がどうだったかもそうなんですけど、どちらかと言えば稽古中よりも稽古終わりに皆んなで喋ったとか。そういう事が凄い思い出されてきて…。台本についてみんなで語り合った時間とかが思い出に残ってますね。やっぱり1人でベッドの中で考えてるよりも、人と話すと新しい発見がありました。それこそ『俳優についての逆説』での2人1組でやる所もその時の2人(室園)で凄い話して、1人で考えてる時には出てこないようなアイディアとか、「これってこういう事じゃん!」て事がなぜか人と話してると分かる事があって。まぁ演劇以外でもあると思うんですけど。この3年間でそれを痛感したというか、自分1人の力では出来ないなと…。それを稽古でももちろん感じるけど、稽古の外でも感じたなと言う。


清水:逆説の時のその阿吽の呼吸が、今のピーチャム夫妻にね!いや、ヤバいよね!?呼吸合い過ぎてて「おぉ!」ってなる。


木下(62期):ちょうど昨日逆説でもペアだった聞いて驚きました!(笑)


清水:そうそう、素晴らしい夫婦ですね。


森:精進します(笑)


一同:(笑い)


清水:私も『俳優についての逆説』の話になっちゃうんだけど。私はだいぶ動きのある作品をやったんですけど、だいぶ演出が固まってきた時に、「私やっぱり、皆んなみたいにちゃんとキレのある作品にしていかなければいけない!」と思ってめちゃめちゃ自主練して、動きと動きの間の目線まで決めて、めちゃめちゃ詰めて稽古行った日があったんですよ。「どうだ!やってやったぜ!」と思ったら(『俳優についての逆説』担当講師の)植田さんに、「どうしちゃったの?ダメだよそんなキビキビやっちゃ。あなたは鈍臭く、マイペースにやってよ。(←植田さんのモノマネ)」って言われて。


一同:(爆笑)


清水:いやもうその通りなんですよ、私って。鈍臭くてマイペースなんだけど、それをそんなにストレートに言われても!(笑)。でも別に落ち込んだりはしないで、この人そんなにストレートに言ってくれるんだと思って。田村さんにも「清水さんはヒラヒラしてればいいよ。(←田村さんのモノマネ)」って言われて、どういう事だろうとは思ったんだけど。まぁなんだろう、他人みたいになろうとしないで…、みたいな。いや、まぁ鈍臭いって自覚あるんですよ。これでも私、学生時代運動部だったので鈍臭いお陰で凄い惨めな思いをいっぱいして来たんですよ。だけど、この演劇の世界ではそれを活かせる。個性としてやっていく方向があるんだと思って。そこで「演劇って面白いんだ」って。私(演劇の)経験なかったからさ、『わが町』『女の一生』はもう必死で訳わかんなくて、「言われた通りにやります!」みたいな感じだったんだけど。それで植田さんに「鈍臭くマイペースにやってよ」って言われて、なんかちょっと演劇って面白いかもってその時に思ったかな。あとは、演劇関係無しに、鈍臭い所を認めて生きていって良いんだなって。なんかこれからその言葉だけで明るく生きていけるような、なんか無敵になった気分になって。私も人生変わったかも『俳優の逆説』で。「もうなんかどうでもいいや、私のままでいいわ。」みたいな感じになったかな?それは結構衝撃的な思い出で、ここに来て良かったなと思う所ですね。植田さんありがとうございますって感じです。


④最後に62期へメッセージをお願いします。


久米:まずは、1年間ありがとうございました。


62期一同:ありがとうございました!


久米:いやなんか、後輩だとは全然思ってなくて、めちゃめちゃ尊敬してるしめっちゃ救われたなぁと。人として本当に素敵な人達ばっかだなぁっていうか…。なんだろうな、その謙虚さとか人のことを考える気持ちとか、俺もそういう人間になっていこうと思ってます。本当にありがとうございました。


62期一同:なんか…、すごい褒められた。怖い…(笑い)。


森:1年間一緒にいて、それぞれ皆さん本当にいいとこがたくさんあって…。まあだからこそ言うとしたら、そうですね…。アドバイスとかっていうよりは私が今思ってることとして聞いてもらえればなというくらいの感じなんですけど。こういう養成所にきてやってると、「成長しなきゃ」とか「前に進まなきゃ、変わらなきゃ」というふうに思っちゃうときってあると思ううんです。失敗した時とか、追い詰められた時に。今の自分じゃない自分にならなきゃとか思うことがあると思うんです。そんな時に、あまりにも追い詰められると、今あるものを捨てて変わらなきゃみたいな、冷静に考えるとそれって全然いいことじゃないんだけど、変わらなきゃって思いすぎてそういう方向に行っちゃうこともあるなぁってこの3年で思って。私もそういう瞬間あったなぁって思うし。でもさっき言ったように、皆さん本当にいい所をいっぱい持ってるので、その良さを捨てちゃうと本当に悲しいなって思う。まあ変わらなきゃって思いも必要かもしれないけど、捨てなきゃっていう方向ばっかりに行かないで、自分いいとこあるなっていうのを忘れずに、追い詰めすぎないで吸収しようっていうプラスの方向で思っていただけたらいいのかなって思います。楽しみにしております。


清水:色んな人がいるじゃないですか。生活環境も一人ひとり違うし、経済状況も違うし。私はこの研究所生活で、お金がなくて苦しかったんですよ。発表会にお金なくて出れないとかあって、その期間に「なにしてるんだろう」ってやっぱり思っちゃうのね。私なにしてるんだろうみたいな。そういう時ってやっぱ明るい気分にはならないじゃないですか。沈んでくみたいな。でもある時、「こんなこと考えたって、人は人、自分は自分。落ちていくだけなのにこんなこと考えても何も得にならなくない?!」って思って。「演劇やってなかったら、こんな貧乏な暮らしを体験できなかった!」「こんなお金ない私、ウケる!」みたいに思うようになりました。


62期一同:すごい(笑)


清水:そういうふうに考えて、バイトに励みました。何が言いたいかって言うと、皆さんには心身ともに健康に過ごしてもらいたいです。心を壊してしまうとやっぱり身体が故障したときよりも治すのに時間がかかるじゃないですか。やっぱり演劇の人ってさ、みんなはそうじゃないと信じてるけど…。なんかさ、自分の表現に浸ったりするタイプっているじゃん。私は好きじゃないけど。なんか、「沈んでく自分ステキ」みたいなさ。浸ってどんどん落ちちゃうみたいな。でも皆さんはそうじゃなくて、どっかで客観的にみて「あ、これ私沈んでるわー」って思ったら、発想の転換をして自分を持ち上げる工夫を自分でしていただきまして、来年も元気に舞台に立ってるみんなを見たいです。そこんところは本当に、よろしくお願いします。ですね。1年間ありがとうございました。


桜田:あまりうまくは言えませんが…。1年間本当にありがとうございました。特に、1年生男子の皆さん、本当にありがとうございました。いやぁ僕は本当に、そうなんですよ。『雨夏』(2023年度第二回研修科発表会『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』)のときは(劇中で関わりの多いメンバーが)1年生5人に対し2年生ひとりだけ。


一同:(笑い)


桜田:いやホントにそうなんです。1年生男子の方々にはホントにホントにお世話になって。そして『ペンテコスト』。まあさっきと話被っちゃうんですけど。なんかもう…、分かります?心からわくわくする感じというか、「めちゃ楽しいぜ!」って感覚を味あわせてもらったことを本当に感謝してて。何が言いたいか、自分でもちょっとまとまってないのですが…、心から楽しむってとても難しいことだなと思っていて。それでも悲しいシーンとかであったり…、僕は悲しいシーンってあまりやったことないんですけど。というか、全くないんですけど。


一同:(笑い)


桜田:なんかね、悲しいシーンとか怒るシーン、ハイになって楽しむシーンとか…。どのシーンも共通して、自分自身が心からわくわくしてやってるっていう感覚って、見てる人からするとすごく愛嬌があるように見えて、見てる人も「ああこの人いいなぁ」って僕だったら思うんですよね。この人すごく楽しそうにやってるなぁって。自分自身が心からわくわくしてやってるっていう感覚をもつような意識でこれから、僕もそうですけど、お互い頑張りましょうみたいな感じですかね。


62期一同:ありがとうございました。


インタビュー:浴聖太

写真:木下綾夏

文字起こし:62期研修科

記事編成:野村今日子高澤知里

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