本記事は研修科1年・村上佳による『怒濤』の稽古場レポートです。
ついに始動した2019年度研修科。その第1回発表会となる『怒濤』の稽古の様子を、本番まで全3回に渡ってお送りいたします!
第1回は読み合わせ編。研修科生もドキドキ、研修科初演出となる若松泰弘さんの稽古場とは…!?
稽古場レポート① ~読み合わせ編
皆さま、はじめまして!
58期 研修科の村上佳です。
今回2019年度研修科が上演する第1回発表会『怒濤』は、細菌学者・医学者である北里柴三郎の半生を描いた物語です。
北里柴三郎は新千円札のお方に決まったということでなんともタイムリー!
さて!
(読み合わせの様子)
プレ稽古を経て、配役が決まった状態で迎えた読み合わせ初日。
緊張の中読み合わせが始まると、1、2行進んだあたりで
演出の若松泰弘さんが早速、
「芝居って難しいよね。相手役は自分の思う通りに動いてくれないんだからさ。でも、そのさじ加減を調整していくために本番までの約40日間があるから、相手とのライヴを楽しめばいいよ。」
と。
緊張がほどけると共に、相手と向き合い、その中で起こることを楽しもうと深く感じさせられた言葉でした。
(『怒濤』演出の若松泰弘さん。研修科の演出をするのは今回が初めてだそう。)
若松さんは芝居における"身体性"を非常に大切にされている方だと思いました。
具体的に台詞の音の高低や強弱を指定するのではなく、台詞の音を変化させるヒントとなる“身体”を想像させます。
座った状態で行う読み合わせでの身体の想像って、すごく難しい!!
相手役との距離感、身体の変化、景色…
あらゆることを想像力で補うことの難しさと必要性をこんなに強く実感することは、今までありませんでした。
立ち稽古に入れば自ずとわかってくることも多いでしょうが、読み合わせの段階で戯曲に潜む可能性を如何に紡ぎ出せるかが重要なのではないか。
若松さんは、
「立ち稽古に入ったらどうなるかわからないけど、一回こうしてみようか」
と、
戯曲の持つ振り幅を役者にトライさせます。
そしてその時、戯曲に命が吹き込まれる瞬間が確かにあって、それはそれは感動ものです。
(今発表会のフライヤー)
本科の時分、発表会として上演した『女の一生』で聞き慣れ親しんだ美しい言葉回しが『怒濤』にも散りばめられているので、僕としては非常に興奮しています。
(それと同時に演出の鵜澤さん(編集部注:座員の鵜澤秀行さん)に怒鳴られた記憶も蘇る。。。いい思い出!!泣)
再び森本薫さんの作品を上演させていただくということで、彼の美しい文体を最大限に活かせるように尽力してまいります!
本日から立ち稽古に入りましたので、次回はその様子をお送りします。
最後までお読みいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!!
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