ー卒業を前に思うこと。そして、未来ー59期インタビュー#4

全4回に渡ってお送りしてきた2年生インタビューも今回が最後となります!

最終回は、アンドレー役山岡隆之介さん(A)、マーシャ役尾崎京香さん(A)、片平友里絵さん(B)、佐藤彩香さんにお話を伺いました!


1.『三人姉妹』について


―まず最初に『三人姉妹』についての印象や、自身の役についての印象をお聞かせください。


山岡:作品の印象か……なんか今読んでいてもチェーホフよくわかってないと思うけど、でもなんか読めば読むほど面白い。何が面白いのかがあんまりよくわかってないけど、面白いなと感じます。でも、3年間やった作品の中で1番作者のことが気になったかな。何この人?って。何考えてんのかな?っていうのが印象です。作品はなんか面白いけど、まだわかってないように感じます。役は……難しいなぁ(笑)

この前3幕やってる時に高橋正徳さんに言われたけど、もっと積み重なっている深いコンプレックスとか、ストレスみたいなのが大分深くて、幕ごとに受けてるストレスとコンプレックスが似てるようで変わっていっているように感じていて。それが4幕ですごい客観的な感じになってるというか。でもそれは深いところに落ちて……難しいな(笑)自分がそこまで落ちたことないから分からないけど、そこまで落ちて客観的になってるんじゃないかな?って今は思ってる。これが良いのか悪いのか分かりませんが、そんな感じです……。

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尾崎:『三人姉妹』はチェーホフでロシアの作品でまずめっちゃ骨太感があって、最初読んだとき正直全然分からなかったです。会話噛み合ってるようで噛み合ってないじゃんこの人たちみたいに思ったんだけど、なんか読んで。だからこそ、こう読めば読むほど色々なオモシロがどんどん発見できてくる、取り組みがいがある作品だなと思っています。最初読んだときに、ラストシーンで結局これ何の話だっけ?みたいになっちゃって、それぞれかなり個人的なことでゴタゴタして最後にすごい壮大なセリフを朗々と言って終わるみたいなのが「これ見ててしらけないのかなあ最後」って思って(笑)

それをどういう風に、見てる人がしらけないように出来るのかなみたいなのが、最初に自分としては課題だなと思ったし、今もそれを取り込みたいなと思ってます。全体を通して。

自分の役は、「マーシャは絶対自分は出来ない」って思って、最初なったときに。

感情の起伏がすごい激しくて、情動が濃い強い女みたいな。それを担わなきゃいけないっていうのが、絶対無理だと思って本当に恐れ慄いた。それは今も思ってます(笑)でもその上で感情が激しい役だからこそ、強い怒りだったりとか、そういう苛立ちみたいな負の感情、強い感情が多いんですけど、それをできる限り類型的でなく細分化してやりたい、自分なりにやり抜きたいです。誰しもそう思ってると思うんですけど、なるべく誠実にやりたいと思っています。マーシャはこういう役だ、難しい、怖いみたいなのが私の中にあるので、そこに圧倒されちゃって「こういう役だよね。私にはない部分だから、こうやって頑張らなきゃ」ってならないように、なるだけ丁寧に細分化して解像度高くできたらいいなと思っています。


2.演劇を始めたきっかけと、文学座を選んだ理由


―次に演劇を始められたきっかけと文学座を選ばれた理由を教えていただきたいです。


尾崎:私は小学生の時に市民劇みたいのに出たのが一番最初に演劇に関わったきっかけです。その時友達とワイワイやるのが楽しくて、その流れで中学生の時に演劇部に入って、高校でも演劇部に所属して、大学入っても演劇サークルに入りました。ただただ演劇楽しいなぁみたいな感じで、部活とかだと割と主役とかやらせてもらえるんですよ。演劇歴が長かったりすると主役をやらせてもらえたりして、ただただ楽しいなぁと思ってやってたんですけど、同期とか学生同士でやってるとなかなか「こうだよね」「こうだよね」ってお互いに言い合って、それで完成させていくけど、本当にこれでいいのかなぁみたいに思うことがあって。演劇の楽しみ方ってこれで全部なのかなぁみたいに思って。私はその時は演劇とかお芝居ってセリフをそれっぽく言ったらお芝居だと思っていて、それで本当にいいんだろうかと思って、どうせだったらちゃんとしたプロの人に教えたもらいたいというか「お芝居はそうじゃなくてこうだよ」みたいな事を教えて欲しいと思って、大学生の時にたまたま文学座の西川信廣さんがやっている2週間くらいのサマーワークショップに参加しました。結構期間も長くて、参加したらめっちゃ面白くて、自分が今までなかった演劇の語彙みたいなのが与えられる場だったというか、それがとにかく楽しくて文学座で本当に演劇を勉強してみたいな、苦労してみたいなと思って入ったら見事に3年間苦労しましたね。

(尾崎京香)

片平:私高校2年生の時に全然学校行ってなくて、3年生の時卒業するために単位が必要で、余分に追加で単位取るために演劇入門っていうコマがあって、それで演劇と出会った感じです。それで、演劇入門に来てた先生が俳優座の人で、俳優座の芝居観に行ったらあんまり面白くなくて……。先生は好きだったけど、俳優座に行きたいとは思えなかったんです。それで、文学座の芝居観に行ったら、舞台上でやってる会話が本当に聞こえて、それでいいなと思って「入る!」ってなりました。


―お芝居は何を観たんですか?


片平:『女の一生』です。それで、文学座に入ってから、本科の発表会でやって、本公演でもやれました!

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佐藤:私は小学校5年生くらいの時に演劇を始めました。英語でミュージカルをやろうみたいな劇団があって、小学校が英語に力を入れているところで、小さい時から英語の歌をマネしたりするのが好きで、歌も好きで5年生でそこに入りました。そこから歌が面白くなって歌やりたいなって思い、中学生で劇団を出て、歌を本格的にやろうって歌だけをやっていたんですけど、歌う技術とかはいくらでも何とかなるんですけど、芝居が出来ないと歌えないなという課題に接して、一定まではいけても、心がないなみたいな歌しか歌えなくて。


―ミュージカルとかじゃなくて歌だけでも?


佐藤:そうそう、ミュージカルも練習してたんだけど、声が低いからジャズとかシャンソンとか、どっちかっていうと芝居が出来ないと話にならないような歌が好きで、そういう人を見るのが好きだからやりたかったんです。でも、いざそれをやった時に何も出来なくて、「これは芝居だ!!芝居をやらなくちゃダメだ!!」ってなりました。そのタイミングで大学入るために東京に来たのもあって、じゃあ芝居を1から学ぼうってなった時に、歌の先生から文学座っていう劇団があるよっていう事を聞いて、その時に全く知らなくて劇団!?って思って調べていくとちょうど夜間部があることを知って、それなら大学行きながら通えると思いました。あと、田中裕子さん大好きで田中裕子さんとか樹木希林さんとかそうそうたる方々がここで学んでるって事を知って、よしじゃあここでまず芝居を1から学んでそこから考えようって思って本科に入りました。


ー研究所と大学の両立について


片平:3人とも大学行きながらだったよね。2人ともさ、隆ちゃん(山岡)はあんま分からないけど地獄のように何か……

尾崎:地獄だったね……大学1年生とかはめっちゃ単位取っておいた方がいいです。

山岡:俺、卒論が無かったから文学座行けたってところがある

尾崎:一番おすすめなのは、1、2年生で単位取りまくって、それで3年生から文学座入って卒論だけ頑張る!

佐藤:研修科の1年目はちょっと大変だけど……

尾崎:諸説有りですが

佐藤:諸説有りですがね

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山岡:俺は大学1年の時に何もしてなくて、ほんとに何もしてなくて。

覚えてるのが、大学1年生の10月かな……10月くらいに東京国際映画祭があって、その日映画祭行く前にちょっと時間があったから、原宿の古着屋さんに行ったら、そこの店員さんがめっちゃ映画とか舞台とか芝居に詳しい人で、色々話してたら、そういう仕事興味無いの?って聞かれて、ちょっとあるかもしれないですって。やる側(役者)はどうなのっていわれたからあるかもしれないですって言ったら、ちゃんとやるなら文学座、無名塾、俳優座、円とかその辺を勧められて。


―初対面で……?


山岡:初対面で(笑)それからその方に色んな映画とか俳優とか教えてもらって片っ端から見てたら、1960年後半~1970年前半の映画が多くて。『砂の器』っていう野村芳太郎監督の作品に出てた加藤嘉さんがすごいなぁと思って調べたら民藝とか文学座にいた人で、この人文学座なんだーって知って。あと河瀬直美監督の『あん』に樹木希林さんが主演でやられてて、この人やばって思いました。そして、樹木希林さんも文学座の方というのを知って、その時はへーって思っただけで特にやるつもりもなかったんです。だけど、大学3年生の時にインターンの説明会があって、その時に俺は普通に就職は無理だと思って。 一回演劇やってみて無理だったら他の仕事探せば良いかなと思って、文学座のサマーワークショップに行ってみました。その時あっち(佐藤彩香)とかと一緒で、正直全然楽しくなくて(笑)初心者歓迎みたいな感じだったのに周り経験者ばっかりで、恥さらしてるわ~って感じで。でも1週間のワークショップが終わって信濃町駅の方に帰ってる時に明日から無いんだ……ってなって、ここで終わるのは嫌だな、試験受けたろって思って受けました。

尾崎:何か皆かっこいいエピソードだなぁ

山岡:古着屋さんの人とは今も時々芝居の話とかさせてもらったりしてるんだけど

片平:舞台を見に来てくださったりとかは?

山岡:呼べない、呼べないね。まだきつい

佐藤:まだ、ね。

(山岡隆之介)


3.研究所での思い出


―次に、研究所での思い出を聞かせてください!


尾崎:本科の時の卒業発表会楽しかったね。

佐藤:卒公は思い出深いね。


―皆さん夜間部ですか?


佐藤:全員夜間部です。

尾崎:卒公でやった演目が『花火舞い散る』(研究所59期本科夜間部卒業発表会)で、野外劇だったんですけど、舞台上で水をぶちまけたり、山岡が水をかけられたりとか。

山岡:花火の題材だったんだけど、実際に花火師のところに行ったのは面白かった。

片平:みんな各々で固まって行ったんだけど、秋山将輝の運転する車で行ったら時間に間に合わなくて、ただドライブして終わっちゃいました。のちにまた別の花火師さんとパイプある人がいたから、その人に話を聞きに行くってことで収まったんだけどね。

尾崎:そうだったんだ~

片平:実際に作業風景を見には行けなかった。

山岡:足湯したって聞いたけど。

片平:足湯して、何ならサービスエリア行って楽しいねーて言ってたよ。

尾崎:なつかしいね。


―どこの花火師さんですか?


尾崎:秩父の煙火店さんです。見学に行って、花火玉を作る材料とかもらったりして、それを実際に舞台で使ったり、工場の様子を見てそれを参考にして掲示物をみんなで作ったりしたね。

4人:楽しかったね~

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山岡:研修科1年のスタートは変な感じだったな~

尾崎:コロナで発表会中止から始まったし、研修科入るとそれぞれの活動の場が外部の仕事行ったりしてバラバラになっていったからね。それぞれがそれぞれで頑張っているみたいな感じで。

片平:だから、みんなが遠くなった気がした。

尾崎:個人戦になるよね。

山岡:まあ、長くやっていくなら、そうなっていくもんだよね。

尾崎:なんか研修科上がったら楽しくなくなったみたいな言い方じゃない?

片平:まあ、変わったよね。

尾崎:みんな仲良し楽しいクラスから自立したね。


―本科の卒業発表会も高橋さんの演出でしたが、本科の時との印象の違いはありますか?


山岡:印象の違いはない。でも、高橋さんの稽古はおもろい。人のダメ出し聞いてるのがおもしろい。

3人:わかる!

尾崎:でも本科の時の方が、私も含めてみんなもっと怒られてた気がするなぁ。


4.将来について


―卒業されるということで、今後の目標や、やりたい作品、なりたい役者像などありましたら教えてください。


佐藤:自分の中では50代60代でやりたいものがあって、やりたい役があるので、それをやるために逆算するとやっぱり芝居をしっかりできないといけないなと思う。歌もそうですけど。これはもう佐藤にしかできないっていう俳優にその時点でなって居たくて、そのためには20代30代いろいろな作品に出たいし、そこから40代50代着実にその時にしかできないことを積んでいきたいです。その時自分が出会った、選ばれた、自分がやりたいと思えた仕事を重ねていくなかで、その先に自分がどうなっているのか、それが楽しみというか。それを「私はここです」って決めたくはなくて、でも今はっきりしているのは芝居をしっかりやりたい。全てはそこから派生していることだから。大きいようで結構細かいやらなきゃいけないこととか、道のりは細かくてその時の自分にしかできないことを積み上げていきたいです。

佐藤彩香

山岡:俺は、結構リアルになるけど、もし俳優を続けていくならそれだけで生活していけるようになりたい。一応文学座入った時、芝居やるって決めたときから思っているけど、もしもっとやりたいことがあったらそっちに行くし。っていうつもりでずっといます。でも演劇以上にやりたいものが今のところないし、先になるかなと思ったらそんな感じもしないから、演劇をやっていくとは思うけど。どうせやるなら生活できるレベルまでいって、そこから目標出てくるかなと思っている。

あ、でも、4,50歳くらいになったら芝居とか演劇とかで地元でなんかしたいな。俺が文学座に入ったのが21,2歳ぐらいの時だったから「遅いな」って思ったんだよね、芝居始めるのが。もっと早く始めている人もいるし。だから地元で芝居との距離が近くなかったから、もっと田舎でもそういうのできたらなってうっすら思う。それ以前にそういうことができるぐらい自分が成長しないと無理だけど。

あと、舞台も好きだけど元々映画が好きだったから、映像がやりたいっていうのがあるな。

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尾崎:私は、できるだけ長く演劇を続けたい、感じです。目標というか、細々とでもいいからできるだけ長く演劇を好きでい続けて、演劇を続けていけたら良いなぁみたいな感じです。40代50代みたいな話してたけどそこまでは正直全然見えなくて、そこに至るまで演劇やりたいって気持ちが続いてくれればいいなって感じです。

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片平:演劇やっていて明確な目標は、今すぐにでもいいし、絶対これがしたいっていうのは、「マームとジプシー」の藤田貴大さんっていう演出家さんと作品を作ること。


―すごく具体的ですね。


片平:そうそうそう。ていうかやる。それは絶対やる。自分が演劇とか映画とか、こういったことをやって、やってきたことが俳優っていう職業だったらそれはそれでいいなって思うんだけど、みんなみたいにめっちゃ俳優になりたいかと言われたらそうではなくて、結果そうなったらそれはそれで自分の人生幸福だなって思う。でもやっぱりこうやって稽古場見ててもそうだけど、いろんな人を見るのが好きだから……。40代50代って話が出たけど自分はもう30歳で死ぬものだと思ってたから。

山岡:ロックスターみたいじゃん、27歳で死ぬっていうやつ(笑)

片平:作文にも書いたもん、私は30歳で死にますって。でも全然21歳でも生きてるしそんな先のことわかんないけどいろんな人と出会うことがしたい。自分が、今は演劇をやってるけれど、将来演劇をやってても面白いけれど、違うことをやってた方が自分の想像がつかないからそうなっても面白いなって思っています。自分が今想像できない何かになってたら面白いなって。でも結局自分だからそうはならないだろうな……全然まだわからないけど、今は最初に言ったことが目標です!

片平友里絵

5.60期へメッセージ


―最後に後輩へのメッセージをお願いします。


山岡:頑張ってください!

片平:一言?(笑)

尾崎:マジで?(笑)

山岡:でもまぁ大丈夫でしょ。

佐藤:大丈夫だよ

尾崎:60期はみんな明るいし、元気だし……え?明るくない?

佐藤:明るい。

山岡:でもそれ去年の人は俺らに思ってたかもね。

尾崎:思ってたのかなぁ?わかんないけど。

佐藤:1年生はそう見える説が。

尾崎:なんだろ、うたのおにいさん、おねえさん的な。そういう、場を華やかにしてくれる人、みんなそうだと思ってて。みんな仲良いしお互いね。60期同士仲良いからね。そのまま楽しい、残り1年、楽しいだけじゃないかもしれないけどそういうみんなの明るさみたいなところが良い方向にいってみんな一緒に頑張っていければ良いんじゃないかと思います。みんな素敵だから。

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佐藤:なんか教訓みたいな、活かしてほしい感でいうと、こんな自由に1年で何回も芝居ができて、失敗してもOKなわけじゃないですか、何故なら次があるから。そういう絶対失敗が許されるみたいな1年ってこれからあんまない。だから本当に研修科は公演ごとに「今回俺はこういうの試してみるぜ」みたいな感じで1公演1公演をつなげていけたら最高だなって。だって一個一個でいっぱいいっぱいになるとすぐに過ぎていっちゃって、次の役が難しいよしやろうと思ってもいつの間にか終わっちゃうから、それであればちょっと早めから準備をして、たとえば「前回こうだったから今回はこうしよう」っていうのが、一個一個を活かしていければ確実に成長できる場所だと確信してる。だから屍を越えてほしい。

尾崎:理想はね(笑)

佐藤:そう、その場で一生懸命なると一個一個が見えなくなっちゃうから。あと4回ある中でちょっと、計画を立てたら最高だと思いました。

尾崎:変わり続けるみたいな

佐藤:そうそう1年って短いから。

山岡:研修科入ったときに聞きたかったな

佐藤:でもその時聞いてもわかんなかったかも。でも終わってみると

片平:実感がね。

佐藤:そう実感としてすごい思う。しかも一緒に見てる同期がいるから、なんだろ。演出家の人とかも見てくれてるから。私が思ったのはもっと聞けばよかったって思いました。

「私はこうしたんですけどどう見えましたか?」っていうのを、人の意見聞かないと自分はこういうつもりで演じましたって思っても、見えてなくて、全然違うまま次いっちゃったらまた同じこと繰り返しちゃうから。自分がやりたいと思ってやってることと、他の人から見て、演劇をやっている人、大先輩から見てそれはどう見えたか。ここはよかったよとかここはダメだったよとかをもっと聞けばよかったと思いました。なんかいっぱいいっぱいになりすぎて一個一個を。そういう意味で言うとまだ1年残ってるからどんどん聞いた方が自分のためになるんじゃないかな。で、これは違うなと思ったら別に自分の中で整理すれば良いと思うんで、とにかく先輩たちに聞くべし。と思います。

尾崎:自分の悪いところとか課題が見えるというか、やっていけば「これもダメだ、これもダメだ」ってどんどん見えてくると思うんですけど、なんかそれだけじゃなくて自分の強みというか、「自分はこういう表現をやりたいんだ」みたいなのを同時に探したほうが絶対いいと思います。

佐藤:モチベになるよね


―心の安定ですね。


佐藤:そうそう

尾崎:最終的に「自分はダメだ。」だけだと結局何も残らなくなっちゃうというか自分の表現好きじゃないなぁで終わっちゃうから。それも同時に見つけようというのが、もうある人はそれでいいんですけど。

片平:人として、それこそこういう組織内で出会ってしまって、プラスこっちが先輩こっちが後輩っていう枠組みで出会ってしまったから私は全然60期のこと知らないなって思って、でも演劇をやりたくてみんなここにいて、この瞬間みんな稽古に対して全力だし、でもめちゃくちゃ難しいけど、ここ出た瞬間全てを忘れるぐらいの能天気さを持つことってすごい大切だなって。公演の稽古中はみんな絶対考えてるし、「あ~どうしよ、衣装決まってない」とか絶対なってるし、あそこどうしよとかなるけれど、個人的にここを出てみんなで原っぱで遊びたかったなって。その方がみんなのこともっと知れたんじゃないかなっていうのが、思いです。演劇のことはみんなが言ってくれたから。

佐藤:大事だよねぇ

片平:原っぱでフリスビーでもしようよ。

佐藤:飲んでもないしね。

片平:飲んでもないんだよ。やっぱり信濃町にいるとアトリエの恐怖みたいなものが脳裏にあるから。芝居芝居ってなるから、そこが多分我々の素敵なところでもあるんだけど、ね。そんな感じです。


―以上になります。ありがとうございました!


聞き手、文字起こし:研修科メディア係、60期研修科

写真:村田詩織

記事構成:今野美彩貴

※このインタビューは12月30日に行いました。本記事はインタビューを元に再構成したものです。


以上で、59期卒業生インタビュー終了となります。59期の皆様忙しい稽古の合間丁寧にご回答いただきありがとうございました!そして、今日まで記事を読んでくださったみなさまありがとうございました!これからも文学座研修科、そして59期の皆さんの応援をよろしくお願いいたします!

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