第一回文学座附属演劇研究所 研究生調査~アンケート編~

第一回文学座附属演劇研究所 研究生調査~アンケート編~

今回新たな試みとして、文学座附属演劇研究所の本科生、研修科生に対してのアンケートを実施いたしました!

研究生たちの年齢や出身地、アルバイトについてなど知ることができます!これから文学座附属演劇研究所への入所を目指そうとしている人、まだ迷っている人はこちらを見れば、研究生としての生活などイメージできるかもしれません!

グラフを使っての記事となりますので、本科生から研修科生になってからの比較もしてみてください!

また、研究所主事の植田真介さんにもコメントを頂くことができましたので、コロナ過になって変わってきたことなども、知ることができます!


1.本科生(62期)

●1クラス約30名で、昼間部、夜間部の2クラス制。

●62期本科生

昼間部 35名 (男:15 女:16 演出部:4名)

夜間部 33名 (男:15 女:15 演出部:3名)

Q1.入所時の年齢

●昼間部、夜間部共に21歳~23歳が一番多い。

●昼間部は28歳~29歳が5%に対し、夜間部は28歳~29歳が8%、30歳以上が4%と昼間部より少し平均年齢が上となっている。

〇研究所主事 植田真介より

夜間部は、社会人の方が集まる傾向にあるので、毎年夜間部のほうがやや平均年齢は高くなる傾向にあります。ただ年度によっては、昼間部と夜間部であまり差がない時もあります。むしろこの10年で昼間部と夜間部の年齢差は縮まっているように思います。62期に関しては例年に比べて20代後半以上が少なく、全体として平均年齢は低い期となっています。

Q2.出身地

●1番多いのは東京都だが、全国各地から入所してきている方が多い。

〇研究所主事 植田真介より

例年、研究所入所時に上京してくる子が、30%~50%になります。

大学入学時、就職時に上京していて、研究所入所する子も多いので、純粋に東京出身という子はそれほど多くはありません。

近年、関西、北海道出身者の割合が増えている傾向にあります。受験者数が多いというより合格率が高い印象があります。原因は不明です。

Q3.入所前の演劇経験の有無

●演劇経験がある人の方が多いが、なしも21%いる為、これから演劇を始めたいと思っている人にも挑戦のできる環境である。

〇研究所主事 植田真介より

毎年実施している研究所の説明会で、「未経験者はいますか?」との質問をよく受けます。世間では「文学座は未経験者は入れない」と言っている人もいるようですが、実際研究所の歴史をみてみると、大体20%~30%が未経験者での入所となっています。これは入所試験の受験者でも同じ割合なので、経験が合否にはあまり関係がないことをあらわしていると思います。

Q4.自宅から文学座まで通うのにかかる時間

●意外と50分以上かけて通っている人が多い。

〇研究所主事 植田真介より

コロナ以前は、通う時間が50分以上の人はもっと少なかったと思います。コロナ禍になり、やや遠くても実家から通う人が増えた印象があります。

逆に、上京してくる子で、少し家賃が高くなっても徒歩や自転車で通える距離に住む子が多くなりました。

Q5.入所前年の経歴

●昼間部は大学を卒業してから入所している人が48%占めている。

●夜間部は、入所前年に社会人をしていたという人、大学に在学しながら研究所に入所している人も昼間部より多かった。

〇研究所主事 植田真介より

コロナ以前と比べて大きく変わったのは、社会人、大卒が増え、専門学校卒が減ったことです。以前は昼夜関係なく、各クラスの20~30%くらいは専門学校卒の子でしたが、コロナ禍になり極端に減りました。その分、大学卒、大学在学中、社会人の割合が増えました。これは受験者の内訳自体に変化が出ています。

62期は夜間部に高卒がいない珍しい期でもあります。高校卒業したての子は、62期は例年より少ないです。

Q6.アルバイト等の勤務時間

※夜勤の中には、夕方~夜で勤務している方も含まれております。

●昼間部は授業、稽古終了後の夜の時間帯に働いている方が多い。

●夜間部は授業、稽古前の朝~昼に働いている方が多い。

●中には、入所前にお金を貯めて、本科に入ってからはアルバイトをしていないという人もいた。

Q7.アルバイト等、週の勤務頻度

●授業の期間は週5~週7で勤務していて、発表会の稽古期間に入ると週3~週4へと調整している人も中にはいた。

〇研究所主事 植田真介より

お金をある程度蓄えてから入所してくる子は年々増えてきている気がします。コロナ禍になって、お弁当屋、テイクアウト系のお店で働く子がとても増えていると思います。逆に居酒屋系で働く人はとても減りました。


2.研修科生(60期,61期)

●研修科生

60期 16名 (男:6名 女:8名 演出部:2名)

61期 18名 (男:8名 女:8名 演出部:2名)

Q1.入所時の年齢

●21歳~23歳、24歳~27歳が全体の4分の3を占めている。この後の入所前年の経歴を見るとわかるように、今の研修科生は学生だった人が多いためと思われる。

Q2.出身地

●本科同様、東京都出身が1番多いが、全国各地から入所してきている。

Q3.入所前の演劇経験の有無

●約3分の1が入所前の演劇経験はないと回答。演劇経験者でなくとも、研修科への進級は可能であることがわかる。

Q4.自宅から文学座まで通うのにかかる時間

●本科同様、50分以上かけて通っている人が多く48%をしめている。

Q5.入所前年の経歴

●本科は社会人だった人の割合が多かったのに対し、研修科は入所前学生だった人の割合が多くなっている。

〇研究所主事 植田真介より

今の研修科はたまたま社会人からの入所が少なく、他事務所系が多いのが特徴ですが、上記の割合は、コロナ以前の研究生の割合にとても近いです。

Q6.アルバイト等の勤務時間

●研修科は、本科の時と違い稽古の時間が発表会事に変わってくる為、一人一人が工夫をしてアルバイトをしている印象があった。

●2~3ヶ所のアルバイトを掛け持ちしている人も数人いた。

Q7.アルバイト等、週の勤務頻度

●週3~週4が多い

●発表会期間はアルバイトのシフトを入れず、休み期間に週5~週7で勤務している人もいた。


ご覧頂きありがとうございました!

今回はアンケート結果グラフのみの記事となりますが、次回は本科生、研修科生数名での座談会記事を予定しております。そちらではより詳しく、入所前のことや普段の授業や稽古の様子、アルバイトについても聞いていこうと思いますので、是非ご覧下さいませ。

最後にアンケートにご協力下さいました、文学座附属演劇研究所本科生,研修科生の皆さん、ありがとうございました。


2023年度 第63期本科生募集についてはこちら


記事作成者:今野美彩貴

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