出ないけど、見てます。研修科生の稽古場見学記① 稽古の幕開け編

本記事は研修科1年の平体まひろが稽古場で見聞きしたエピソードをまとめたものです。

今回出演しない平体ですが、研修科生ならではの視点でユニークな稽古場レポートを書いてくれました。今後も本番まで3回に分けて公開していきますので、お楽しみに!

初回は稽古初日の様子をお届けします。(以上編集部より)


稽古見学1日目:3月29日 稽古初日(読み合わせ)

(↑演出の鵜澤秀行。この写真は本番で使う文学座新モリヤビルで撮影したものです。)



ついに迎えた稽古初日。


今回は事前に配役が発表されている状態での稽古はじめとなりました。相手役と稽古前からシーンについて話している研修科生もチラホラ見受けられます。すでに稽古場の空気は充分に温まっているよう。見学をしている私(平体まひろ)にもその高ぶった気持ちが伝わってきます。


そこに研修科演出部2年・谷こころさんの「それでは稽古を始めます」という声掛けが。一瞬で場にピリッとした緊張感が加わりました。いよいよ初稽古スタートです!




まずは、演出の鵜澤秀行さんから研修科生たちにこんな言葉がかけられました。




「僕が今回この台本を選んだのは、役者の“今、ここに存在しているという実感”を感じられる台本だと思ったから。台本の中の人物が抱えている孤独や寂しさなどが、君たち役者の実感と合わさってスパークして出てくる瞬間のリアリティを見たいなと思っています。演劇における面白さは、その瞬間瞬間にあるのではないかと…」


「この台本の登場人物の年代は君たちとも比較的近く、舞台も現代。『自分と役』『自分と言葉(台本)』『役と言葉』の融合、これはやってみると難しいことだけど、そこを大切に考えて作っていってほしい。」




研修科生たちは真剣に聞き入ったり、忘れまいとメモを取ったりしています。出演しない私はなんだか羨ましい気持ちになりもしましたが、ここは我慢。


自分自身(や、自分の経験)と役とが近いからこその、シーンでの実感の育て方。それは古典戯曲や自分とかけ離れた役に取り組むときと、また違う試みが必要になりそうだと感じました。


(↑読み合わせの様子。初めての相手だと読み方が予想できないのでドキドキします。)




続いて読み合わせを行います。


1、2年生が一緒に創る最初の作品。はじめてのメンバーでの台詞のやり取りを存分に楽しんでいる空気がビシビシと伝わってきます。また同時に、「(この人は)どう出るの?」「こう来たか!」「じゃあこうだ!」と、それぞれがはじめての相手を強く意識しているのも肌に感じます。


高揚感と緊張感がないまぜになった密度の高い空間。がむしゃらに頑張っていた本科の時とも違う、研修科公演ならではの空気のような気がしました。


今はまだまだ探り探りの状態ですが、これから確実に良い稽古場・良い作品になっていく予感がします!本番までの変化が楽しみになる稽古初日でした。




現在も絶賛稽古中。昨日、今日はA・Bチームとも初めての通し稽古を行い、出演者陣それぞれにもたくさんの気づきがあったようです。

57期の面々を迎えて新体制となった2018年度研修科の、はじめての発表会。

若い私たちのたくさんの思いとエネルギーが詰まった作品になりそうです。


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文・写真:研修科1年 平体まひろ

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